ここまでは、他人に依存して愛される自分を生み出していました。
前回例にした『大切な人のために早起きして朝食を作ってあげる』
この裏に隠した感情が、
本当は朝早く起きることが辛いし、毎日お弁当の内容を考えるのも大変。
たまには朝寝坊してゆっくり過ごしたいと思っている。
だとしたら、これは無理をしてしまっているのだとお伝えしました。
大切な人のためにしている行為が、“本当は辛い”と感じているのであれば、自分の心をおろそかにしています。
それでも頑張ってしまう人は、「感謝されたい」、「尽くしている自分を大切に思ってほしい」という、見返りに依存する心が隠れています。
無理をしたとたん、それは愛として返ってこなくなります。
与えているものが、渇望から生まれる欲求になってしまい、愛ではなくなってしまっているからです。
周りのために行動するあまり、自分を大切にすることを放棄してしまうのはよくありません。
本当はやりたくないという思いや、我慢している状態が続くと、それは不満となってあなたに溜まります。
そしてその不満を解消するように、もっとちゃんと私のことを認めて、と、頑張りすぎるのです。
不満や不安のエネルギーは、必ず相手に伝わります。
自分への愛を、他人に依存している状態の時は、こうなります。
ここの状態にあると気づいた人は、次のステップです。
自己肯定感の低さは、病気を招く
仕事でも家庭でも、本当はやりたくないのに頑張ってしまう、無理して仕事を引き受けてしまったり、頼まれごとを断れない人は、優しいからではありません。
自分への愛を、他人に依存しているだけです。
自分をどうやって愛して良いのかわからないから、人のために尽くすことで愛をもらおうとするのです。
この状態は長く続けることはできません。
不満や不安、愛されたい=嫌われたくないという恐れは、人間にとってストレスです。
ストレスが続くと、自律神経は乱れ、免疫は低下し、胃腸機能の低下による消化不良でアレルギーなどの炎症、栄養失調など、身体の機能低下をもたらします。
このことが、あまねく病気を招くのです。
また、セロトニンなどの神経伝達物質も十分に伝達されなくなるため、鬱などの精神疾患も引き起こします。
だんだんと、心身のバランスを崩していくのです。
ここまでしてしまうのは、自己肯定感や自尊心のなさ、つまり自分の愛し方がわからないからです。
境界性パーソナリティ障害や、アダルトチルドレンなど、何らかの愛着障害がある人は、育った環境などの要因で自己肯定感が低いことが問題です。そんな人たちが不安神経症やパニック障害、うつなどを併発しやすいのは、不安や恐れが多いためにコルチゾールレベルが上がりやすく、身体の機能低下を起こすからではないかと、推測しています。
自尊心を生みだす
周りを大切にすることができたあなたは、感謝されたり、愛される経験ができたと思います。
ここからが自分の愛し方です。
簡単です。
今度は、周りにしてあげたことを、自分にしてあげるのです。
手伝ってあげてばかりいた仕事は、手伝ってもらうのです。
頑張ってあなたが作っていた料理。きっと美味しかったことでしょう。
今度は、美味しい料理を食べさせてもらうのです。
もしくは、自分の好きなものを食べにレストランやカフェに行ったり、ご褒美の食材を買いに行きましょう。
自分に嫌な思いをさせない、我慢させない生活をしましょう。
周りを大切にするように、自分を大切に扱うのです。
周りに依存していた状態を、だんだんと手放し、自分を満たすことにフォーカスするのです。
不思議なことに、自分を満たすことを続けていくと、不安や恐れは消えていきます。
自分で自分を満たせることができる、という自信が湧いてきます。
これが、自己肯定感が高い状態であり、自分を愛している状態です。
自己肯定感が、愛を生みだす
自分が満たされていくと、どうなるでしょう。
自分と周りとの境界線がなくなってくるということに気づくと思います。
周りを大切にするように、自分も大切にする。
相手を尊重するように、自分を尊重する。
周りに嫌な思いをさせないように振る舞い、自分に嫌な思いをさせる人・事柄からは離れる。
我慢しない、我慢させない。
周りを喜ばせて、自分も喜べることをする。
こうして、愛で溢れた世界が作られていくでしょう。
ここまでくれば、もう大丈夫です。
あなたは幸せに生きていくことができるでしょう。
周りは自分を反映します。
自分を満たしてあげないと、本当の意味での愛は生まれません。
自分を愛せる人は、周りにも愛を生みだします。
これが
「自分を愛せば幸せになれる」
という意味なのだと思います。
