これは私の個人的な見解ですが、副腎疲労症候群になりやすい体質として、
「敏感すぎる人(HSP)」が関係しているのではないか、と思っています。
HSP『敏感すぎる人』とは?
敏感すぎる人(HSP : Highly Sensitive Person)とは、生まれつき神経が高ぶりすぎる傾向を持って生まれた人のことです。これは遺伝的なもので、毛質、肌の色と同じで、個体差です。
HSPと副腎疲労症候群の関係
HSPの人は、些細なことにも敏感に反応してしまいます。
生まれつき神経が高ぶりやすいということは、生まれつき視床下部ー下垂体ー副腎が働きやすいため、コルチゾールが人よりも多く分泌され、
結果的に副腎疲労症候群になりやすいのではないか
と、私は考えています。
- 周りの小さな変化にもわりと気がつく
- 人の気分に左右されやすい(無意識に感じ取ってしまうため)
- 音や光、匂い、肌触りに敏感(騒音、強い光、不快な肌触りが苦手)
- 人混みが苦手。人のエネルギーに圧倒される
- 人の不調に影響されてしまう
- 幼少期の家庭環境が不安定だったりすると、トラウマになりやすい
このように、HSPの人はそうでない人に比べ、ストレスになる要素が多いと言えます。
厳しい環境に育つと敏感さが増す
幼少期の家庭環境で負ったトラウマが、脳や神経に影響 もともと敏感に生まれた子供が、虐待や過保護/過干渉で支配されるなど、幼い頃に安全・安心でない環境で育てられた場合、生き抜くために周囲の情報に敏感になり、その感性に磨きをかける。 『敏感すぎて困っている自分の対処法』P 20
精神的ストレスに長く晒されていると、脳内の早期警戒システムである前帯状回皮質が過剰に働く状態となり、ごくわずかな刺激にも過剰に反応してしまうような高感度性を獲得してしまいます。
過保護/過干渉、厳しいしつけ、身体的/心理的虐待、家庭内不和などが絶えない家では、子供は安心安全が得られず、慢性的なストレスにさらされます。
不安や恐怖、過剰な緊張に、ノルアドレナリンやコルチゾールがでっぱなし状態になり、精神疾患や身体疾患に陥ってしまうのだと、筆者は述べています。
この、ノルアドレナリンやコルチゾールがでっぱなしの状態というのが、まさに副腎疲労の根本原因です。
副腎疲労症候群とは、ストレスにさらされ続け、副腎が酷使されることにより、副腎自体が疲弊しコルチゾールなどのホルモンを作り出せなくなることで、うつ、疲労、不眠、肩こりや頭痛などの様々な精神症状や身体症状が引き起こされている状態です。
HSPの人は副腎疲労になりやすい
HSPについて書かれているたくさんの著書やサイトを読んで気づいたことは、
HSPであることを自覚せずに育った人が、大人になるにつれてうつなどの精神症状や不定愁訴などの、ストレスによる身体の機能低下(ミトコンドリアの機能低下)の症状に悩まされる人が多いということ。
現在、副腎疲労で苦しんでいる人の中には、こういった背景を持つ人が多いのではないかと思えてなりません。
私自身、28歳の時に副腎疲労で正社員からドロップアウトし、分子整合栄養医学を学びながら、根本原因である生活習慣や、自分の思考のクセ、在り方など、これまでの人生について分析しました。
HSPという言葉も知りませんでしたが、人生を振り返ると、自分はHSP(HSC)の特徴に多く当てはまることに気が付いたのです。
しかし、診断を受けたわけではありませんし、私自身、HSPであるかどうかということはあまり重要視してはいません。
それよりも、『自分はストレスを受けやすい個体なのかもしれない』と思うことができ、人とは違った対処をすることができるようになったことが、自分を救うきっかけになりました。
人より敏感であることも思慮深いことも、自覚できていなければ人より消耗していることに気づかず、周りと同じように振る舞い、無理を続けてしまうことで体調を崩すという人が多いと感じています。
一度消耗しきってしまった身体の回復には、栄養療法の効果が高いです。
疲労してしまった副腎は、ビタミンとミネラルのメガドーズで回復が早まります。
身体の機能が正常化すれば、うつなどの精神症状も疲労や不定愁訴も軽くなってきます。
そして、まずは自分がHSPであることを自覚し、対処できるようになることが、副腎疲労を克服するために必要です。
