現役歯科衛生士・栄養コンサルタントのあかねです。
分子栄養実践講座 認定カウンセラーとして、セミナーも開催しています♪(セミナー情報)
この記事では、アラサー女子がなぜ、メンヘラになるかを生理学的観点から徹底解析いたします。
あなたのメンヘラな面が顔を出すときは、身体の機能が低下していたり、バランスを崩していることが原因かもしれません。
25歳〜35歳くらいの女性の身体には様々な変化が訪れます。
実は、精神論ではどうにもならないこともあるのです。
仕事も遊びも、恋愛やパートナーシップも充実させたいのに、なんだか“うまくいかない”と感じている、女性へ。
自己啓発やスピリチュアルに頼らなくても、食事と栄養だけで解決できる方法を紹介いたします。
目次
まずはあなたメンヘラ症状を診断!
- 人の幸せを喜べない
- 朝が苦手(寝ても寝ても疲れてる、毎朝仕事行けるか心配レベル)
- 週末は疲れて遊ぶ気力がない(SNSやYoutube見ながらゴロゴロする干物女子化)
- ストレスでドカ食いや飲酒をよくしてしまう(上司がにムカついた夜はコンビニスイーツやけ食い)
- 少しの失敗で異常なほど凹む(わたしなんて生きている価値あるのかな・・・)
- そのくせ、イライラしやすく、すぐ他人に指摘や八つ当たり(母親や彼氏との喧嘩が増える)
- 漠然とした不安感がある(将来が不安、恋愛もうまくいかない、なんか虚しい)
- 生理痛やPMS(月経前症候群)がひどい
- 産後、イライラや落ち込みが激しい(ノイローゼ気味)
- 嫁、姑問題でストレスが溜まっている
3つ以上当てはまる人はメンヘラ予備軍、5つ以上当てはまるあなたはメンヘラ女子の可能性大!
生きずらさ満点なはずです。
栄養の偏りや消耗からくる不調5つ原因を解説し、改善方法をご紹介します。
栄養で身体を整えてあげれば、きっと、身体も心も楽になり、自分らしさを取り戻すきっかけになるでしょう。
幸せを感じないのはビタミンB6不足(腸内環境が超大事)
ビタミンB6は、タンパク質の代謝に必要な補酵素です。
そして、神経伝達物質である、セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン、GABAの生合成においても欠かせないビタミンです。
・チロシン(タンパク質)からドーパミン(やる気ホルモン)
・トリプトファン(タンパク質)からセロトニン(幸せホルモン)
・グルタミン(タンパク質)からGABA(リラックス)
が、それぞれ合成されます。
これらの神経伝達物質が合成されるときに必要なのが、補酵素のビタミンB6です。
B6が不足しこれらがうまく合成されていないと、やる気なし、幸せ薄い、精神的な緊張感が強いというなんとも生きずらい人が出来上がります。
ビタミンB6が不足した場合の代表的な症状は口角炎や口内炎です。口が切れやすい人、口内炎ができやすい人は、メンヘラ予備軍かもしれません。
他には湿疹、脂漏性皮膚炎など、皮膚に症状が出ることが多のですが、これはB6がケラチンの生成に関わっており、皮膚、髪、爪などの健康維持に重要な働きをするからです。
さらに、B6はPMS(月経前症候群)の症状やつわりを和らげる働きがあります。(女性ホルモンの代謝を促したり、トリプトファンの代謝を円滑にし、キサンツレン酸の発生を抑制する)
このように、ビタミンB6は健全な精神を生み出し、肌髪をツヤツヤに保ち、生理前も快適に過ごすために、特に女性には大切な栄養素なのです。
B6が不足する原因
B6が不足する原因は、腸内環境の悪化・たんぱく質摂り過ぎ・摂取不足です。
タンパク質の代謝・分解にB6が消費されるので、タンパク質の摂取が多い人ほど必要量が増えます。
そしてビタミンB6は、腸内細菌によって生成されます。腸内環境が悪いと、ビタミンB6はうまく生成されません。セロトニンの前駆体 である5HTP は 90%以上腸内で作られているので、不足するとセロトニン合成に影響が出るのです。
セロトニンについてはこちらもご参照ください▼
現代に生きる人は、メンタルが安定しない人が多いと思えてなりません。現代のB6不足になる要因は多種多様です。
抗生物質や食品添加物による腸内環境の乱れ、清潔にしすぎたことによる腸内細菌の多様性の損失が、ビタミンB6不足の背景に大きく関与しています。
社会人になってストレスで自律神経は緊張気味。胃腸の働きは抑制され消化不良になりがちな上に、忙しさでコンビニ食や付き合いの外食などが増え腸内環境は悪化。
そんな生活が続いている人は、B6不足が顕著になることでしょう。
効かせる身体にして補うことが重要
まずは腸内環境を整えることが第一選択です。
腸内環境が悪ければ、B6の合成が起こらず、セロトニンを作り出すことができません。
腸内環境が悪いと栄養の消化・吸収が悪くなるので、未消化の食物がアレルギーの原因になり肌荒れを起こしたりと、さらなるB6の需要を高めて、不足の状態を助長してしまいます。
B6をサプリメントで一時的に補いながら、腸内環境を整えることが効率的かもしれません。
腸内環境が整い、消化・吸収の効率が上がってきたら、B6を含む食材を積極的に食事に取り入れてください。牛肉・豚肉・鶏レバー・マグロ・玄米に豊富です。
動物性食品からの摂取が体内での利用効率が良いのですが、腸内環境が整っていない人にとっては、消化の負担になってしまいます。まずは、腸内環境の改善を徹底していただくことがB6不足を改善する秘訣です。
20代半ば〜30代前半でピーク。女性ホルモンの影響
女性ホルモンは、女性の体と心にさまざまな影響を与えます。特に、エストロゲン(卵胞ホルモン)は年齢 によって分泌レベルが変化します。
女性ホルモンの分泌は30歳前後がピークです。ホルモンバランスが整っていない人、ストレスが多い人は、30歳前後がもっとも不調が強く出やすいのです。特にエストロゲン過剰の状態になるとPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)など、様々な不調がおきます。
エストロゲンと銅・亜鉛バランス
エストロゲンの代謝は体内の銅・亜鉛バランスに関係しています。
その理由は、女性ホルモンの「エストロゲン」が「銅」を引っ張る作用があるからです。
エストロゲンはセルロプラスミンという、血清中に存在する銅結合タンパクを増加させる働きがあります。
銅が過剰になると
- セロトニン、ドーパミン(やる気、幸せ感)が低下
- ノルアドレナリン、アドレナリン(イライラ、怒りっぽい、不安感)が上昇
します。
このことから、エストロゲン過剰が銅過剰を引き起こし、PMSやPMDDの症状の原因となると言われています。
生理前・出産後など、女性ホルモンが動くタイミングで感情的になりやすい、イライラする、鬱っぽいなどの症状がある人はエストロゲンの分泌が多く、銅過剰になっている可能性が高いのです。
エストロゲン過剰には亜鉛が有効
銅と亜鉛は拮抗するので、簡単に言うと銅が増えると亜鉛が減ります。
反対に、亜鉛を入れてあげると、銅過剰の状態が改善できるのです。
そして、亜鉛はデトックスを高めてくれます。亜鉛を多く摂ると体内でメタロチオネインいう、重金属を取り込んでくれるタンパク質を作ることがわかっています。
銅を減らし、エストロゲン過剰の原因となる重金属のデトックスを促してくれる亜鉛は、まさに女性の味方の栄養素です。
ストレスの多い人は亜鉛を多く消費しますし、消化管の炎症や胃酸の低下、食生活の乱れがある人も、亜鉛が不足しやすいので要注意。
PMSや生理痛、ホルモンの影響で気分の落ち込みがひどい人は、サプリメントで亜鉛を補充し、銅・亜鉛バランスを整えることで楽になるかもしれません。
Now Foods, ジンクピコリネート, 50 mg, 120植物カプセル
ストレスの許容範囲を超えた?コルチゾールの使いすぎ
アラサー女子の環境やライフスタイル、立場の変化は目まぐるしいものです。
仕事の責任が重くなってきたり、結婚へのプレッシャー、出産、育児、嫁姑問題・・・考えるだけでもヘトヘトになりそうです。
さらにSNS上では、成功女子、キラキラ女子の投稿は炸裂し、嫉妬心を煽ってきます。
このように、アラサー女子にはストレスになりうる要素がたくさんあります。
ストレスにより副腎からコルチゾールが分泌されつずけると、副腎が疲労して身体の機能低下をもたらし、エネルギー不足、ストレスに弱い、鬱っぽくなるなどの様々な肉体的・精神的症状が現れます。
アラサー女子は、フクジン疲労女子になりやすいとも言えます。
そんなストレスでダメージを受けた副腎を元気にしてくれるのが、ビタミンC、ビタミンB群、マグネシウムです。
ビタミンC
ビタミンCは副腎がアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンを産生するときの原料になります。副腎におけるビタミンCの濃度は体内で一番高く、血中濃度の150倍にもなります。
当然、毎日ストレスにさらされつずけている人は、副腎におけるビタミンCの消費が激しくなり、枯渇してきます。食事では到底補いきれませんから、サプリメントで補うことで、やっと副腎に元気が出てきます。
私は1000mgを1日3回摂取しています。
Now Foods, C-1000、バイオフラボノイド100 mg、250植物性カプセル
ビタミンB群
エネルギー産生に必須なビタミンB群。“疲れに効く”とCMで謳っている有名なア○ナミンは、ビタミンB群複合の医薬品ですね。
ビタミンBは相互作用があるため、B1,B2,B3、B5,B6,B12,葉酸などの複合体で摂るのが好ましいです。
1日3回摂るようにして、エネルギー不足への対処をしています。
Thorne Research, ストレス B-複合体, 60 ベジカプセル
マグネシウム
ストレスで大量に消耗されるミネラル。マグネシウムは精神的なストレスで需要が増大するので、不足すると興奮状態になりやすく、ちょっとしたことで、イライラ、カリカリと精神的に過敏になります。
頭痛、肩凝り、不眠、イライラなど、心も身体もカッチコチになるのがマグネシウム不足の症状です。
これも1日3回、吸収には胃酸が重要なので、食事と一緒に摂るようにしています。
鉄不足で現れるうつ症状
女性は毎月の「生理」や、「妊娠・出産」で多くの鉄分を失います。
鉄は神経伝達物質の反応に重要で、その鉄が欠乏すれば様々な精神症状がでてきます。些細なことでクヨクヨする、気分が憂鬱になる、産後鬱の症状は鉄欠乏のサインかもしれません。
また、酸素の運搬にも重要な働きをしているので、酸素供給が不足して疲れやすい、階段がつらい、身体を休めないと夕飯の支度に取りかかれない、めまい・立ちくらみがするなど、エネルギー不足の症状が出ます。
鉄を上手に補給する方法
鉄欠乏女子には、上手に補給してほしい栄養素ですが、鉄は“諸刃の剣”です。
余ってしまったり、吸収がうまくいかないと、活性酸素をつくり体内の炎症の原因となったり、腸内の悪性菌(カンジダ菌)の餌になって、リーキーガット症候群を起こす原因になったりします。
鉄単体をサプリメントで補うことはあまりおすすめしません。
まずは、食事で補っていきましょう。
ほうれん草やプルーンなど、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は吸収率が1〜5%程度しかありません。
一方、動物性タンパク質に含まれるヘム鉄の吸収率は10〜30%、そして、鉄はタンパク質との摂取で吸収されるので、肉やレバーなどからの摂取が良い方法です。
症状が強い、胃腸が弱くお肉を食べるのが苦手という人は、栄養療法を行う医師のもとで血液検査を受け、診断してもらい、必要であればサプリメントを処方してもらいましょう。
鉄は重要なミネラルですが、消化吸収と生体利用が難しいところがあります。
鉄については長くなるので別記事にまとめたいと思います。
参考書籍:うつは食べ物が原因だった
ドキドキ、イライラ、めまい、不安感、焦燥感は低血糖の症状
低血糖症になる主な原因
- ストレスがあると、脳は刺激を欲するため、手っ取り早く甘いものを食べて脳から報酬系の神経伝達物質であるドーパミンを分泌させたがります。
- 腸内にカンジタ菌が増えている人は、カンジダ菌が糖質を餌とするので、糖質欲求が増えます。
- 副腎疲労がある人も、血糖値を維持するホルモンの分泌が枯渇しているので、糖質欲求が増えます。
- 胃腸の消化機能が低い人も、消化しやすい炭水化物の多い食事に偏る傾向になります。
- 生理前はプロゲステロンの影響で、インスリン抵抗性が高まり、食事で血糖値が乱高下しやすく(機能性低血糖)、普段より間食が増えたり、甘いものを欲するようになります。
低血糖症チェックリスト
- 甘い物、スナック菓子、清涼飲料水をほぼ毎日摂る
- 空腹感を感じ、おやつを食べることが多い
- 夜中に目が覚めて、なにかを食べることが多い
- 夕方に強い眠気を感じたり、集中力が落ちる ⑤ 体重の増減が激しい
- 体重が増えてきた、または痩せにくくなった
- イライラや不安感が、甘いものを摂ることでよくなったことがある
- 頭痛、動悸、しびれなど甘い物を摂ることでよくなったことがある
- 安定剤や抗うつ剤を服用しても、あきらかな症状の改善がない
- 血縁者に糖尿病の人がいる
(「うつ」は食べ物が原因だった!P107)
タンパク質と良質な炭水化物の摂取で血糖コントロール
血糖値の乱高下を防ぎ、低血糖にならないための食事法としては
- 血糖上昇を緩やかにするために野菜・たんぱく質から食べる
- 糖質は最後に、一度にとる糖質量を少なくする(ご飯なら自分の拳一個分まで)
- スイーツ、パン、麺類の単品摂取は特に避ける
- 空腹を感じたら、間食にゆで卵やナッツ、冷えた一口おにぎりを食べる
- 寝る前でも空腹を感じたら我慢せず、消化に良いスープや豆乳で捕食する
ストレッサーを排除する、運動や瞑想でリフレッシュする、十分な休息をとる、腸内のカンジダ菌を撃退するなど、糖質欲が高まる原因を考えて対策をとりましょう。
https://body-health-mind.com/teikettou-nemui/
おわりに
アラサー女子には不足しやすい栄養素が多く、栄養不足が様々な不調の原因となります。
“感情の乱れは身体にアプローチする”
これは分子栄養医学の中では鉄則です。
『今までなすすべもなく振り回されて体調や感情が、自分のコントロール可能なものと考えられる』
これが、私が栄養療法を実践する理由です。
心が苦しいのに、精神論だと決めつけて心にアプローチし、スピリチャルや自己啓発にはまっても改善しないのは、身体の問題だからです。
まずは、身体の状態を知り、機能を整えて、セロトニンを増やして、脳神経伝達物質を正常化する。
これだけで、不思議なほどあなたの不安感やイライラは自然となくなります。
うつ、パニック障害、強迫観念、不安神経症などのほとんどの精神疾患は身体や脳神経位伝達物質が正常に働いていないことが原因です。
これらの治療にも、栄養療法が効果をあげます。
腸内環境を整え、ビタミンB6と亜鉛でホルモンバランスを改善し、ストレスで消耗するビタミンC・B群・マグネシウムを補給。あとは糖質の摂り方で血糖値をコントロールすること。
自分の身体に必要な栄養素を考えた食事を身につける。
子育て、仕事、プライベートの充実に忙しいアラサー女子の不調にこそ、栄養で身体を整えることが重要なのだと思います。
