わたしが栄養療法を実践して、一番苦戦したのがカンジダ除菌です。
そして、分子栄養学カウンセラーになって一番質問を受けるのもカンジダ除菌についてです。
この記事では、わたしが実践して成功した「カンジダ除菌の10ヶ条」について解説したいと思います。長くなりますが、順をおって解説しておりますのでぜひお役立てください。
対面(都内)、webコンサルティングも行なっています。
目次
- カンジダ除菌で私が踏んだステップ
- カンジダ除菌ステップ①消化酵素と塩酸ベタインで消化補助する
- カンジダ除菌ステップ②プロバイオティクスで善玉菌優位にする
- カンジダ除菌ステップ③精製糖質・グルテン・カゼイン・加工品を控える
- カンジダ除菌ステップ④血糖コントロールを徹底する
- カンジダ除菌ステップ⑤便秘を改善する(発酵食品、食物繊維を意識した食事)
- カンジダ除菌ステップ⑥アルコールを断ち、肝臓ハーブで肝臓機能強化
- カンジダ除菌ステップ⑦カンジダハーブ、ココナッツオイルでカンジダ菌の増殖抑制
- カンジダ除菌ステップ⑧グルタチオンで解毒サポートする
- カンジダ除菌ステップ⑨カンデックスとカンジダハーブで集中除菌
- カンジダ除菌ステップ⑩VA、グルタミン、ケルセチンなど腸粘膜修復栄養素をいれる
- 終わりに~カンジダ除菌成功の秘訣
カンジダ除菌で私が踏んだステップ
消化酵素と塩酸ベタインで消化補助
プロバイオティクスで善玉菌優位にする
グルテン・カゼイン・精製砂糖・加工品を控える
血糖コントロールを徹底する(副腎機能の回復)
便秘を改善する(発酵食品、食物繊維を意識した食事)
アルコールを断ち、肝臓ハーブで肝臓機能強化
カンジダハーブ、ココナッツオイルでカンジダ菌の増殖抑制
グルタチオンで解毒サポートする
カンデックスとカンジダハーブを使って集中除菌
VA、グルタミン、ケルセチンなど腸粘膜修復栄養素をいれる
カンジダ除菌はしっかり準備することが重要です。
さもないと、除菌に失敗するどころか「ダイオフ」にやられ体調が悪化してしまいます。
それでは、一つ一つ詳しく解説していきますね。
カンジダ除菌ステップ①消化酵素と塩酸ベタインで消化補助する
まずはじめに腸内環境を整えるためにすることは、未消化物を腸に入れないことです。
日本人はもともと胃酸の分泌が少ない人種です。
それに加え、さまざまなストレスにより、十分に消化酵素が分泌されていない人が多いのが現状です。
そのため、未消化物(特にタンパク質の未消化物)が腸に流れてしまうことで「消化不良」を起こし、異常発酵することで悪性菌を増やす原因となっています。
未消化の食べ物やサプリメントは腸の「ゴミ」
未消化の食べ物やサプリメントは腸のゴミとなります。
これを解消するために、
- 消化酵素
- 塩酸ベタイン(=胃酸、たんぱく質の消化やミネラルの吸収に重要)
をサプリメントで補います。
この2つのサプリメントを補充するだけで、お腹の張りやガスが減る人も多いです。
副腎疲労や慢性疲労があり、ミトコンドリア機能が落ちている人は、ATP(エネルギー)不足で大概の人が消化機能が低下しています。
これが原因で腸内環境が悪化している人は、「消化の補助が第一選択」ということを覚えておいてください。
私が使用しているサプリメントをご紹介しますね▼
- 消化酵素サプリ
Houston Enzymes, トリエンザ、カプセル90粒
- 塩酸ベタイン
Source Naturals, ベタインHCL, 650 mg, 180錠
カンジダ除菌ステップ②プロバイオティクスで善玉菌優位にする
カンジダ菌は日和見菌なので、そもそも善玉菌が増えなければ悪さはしません。
ということは、善玉菌を増やせば、カンジダ菌の増殖を抑制することができます。
しかし、一度増えてしまったカンジダ菌は、他の悪性菌とタッグを組んで「バイオフィルム」という強力なバリアの中に生息していていて、なかなか減らすことはできません。
だからカンジダ菌除菌は少々厄介なのです。
まずは増えてしまった悪性菌を減らし、増殖を抑制しましょう。
わたしが愛用しているプロバイオティクスはこちら▼
California Gold Nutrition, LactoBif プロバイオティクス, 300億 CFU, 60ベジカプセル
カンジダ菌への抗菌作用が高いロイテリ菌▼
パウダータイプをお口に含めば、お口の中の悪性菌にも効果◎
Nature’s Way, Primadophilus、Reuteri Superior Probiotic、マルチ-菌株パウダー + scFOS、5oz (141.75 g)
カンジダ除菌ステップ③精製糖質・グルテン・カゼイン・加工品を控える
精製糖質を控える
カンジダ菌を除菌するためには、精製糖質(特に砂糖)を制限する必要があります。
なぜなら、単純糖質はカンジダ菌の餌となり、増殖を助長するからです。
カンジダ菌感染している人には甘いものがやめられない人が多くいますが、その理由は
- カンジタ菌に糖を奪われることで甘いものへの欲求が増す
- そこで甘いものを食べてしまうと、食後高血糖からの反応性低血糖を起こす
- 低血糖から甘いものを食べてしまう
- カンジダ菌に餌を与えることのなり、さらに増殖する
という悪循環が原因となっているからです。
グルテン(小麦)を控える
小麦を水で練ることでできる「グルテン」は人間の消化酵素では消化しきれないタンパク質で、LGS(リーキーガット ・腸漏れ症候群)となることが問題となっています。
LGSとは、腸管を守っているバリアが破壊されることで、本来なら取り込まれることのない未消化物が体内に侵入し、炎症・アレルギー反応を引き起こす状態のことです。
タンパク質が侵入すればアレルギーの原因になりますし、糖質なら食後高血糖の原因になります。
このことから、LGSになると血糖値の乱高下が起こりやすい体になり糖質依存しやすくなってしまいます。
カゼイン(牛乳)を控える
乳糖不耐症は乳糖を分解する酵素である「ラクターゼ」が体内で作られず、乳糖を分解することができない体質のことです。
日本人の約75%が乳糖不耐症で、遺伝的にこの「ラクターゼ」を持たないと言われています。未消化の乳糖は腸に入り粘膜を傷つけ、LGSの原因となります。
加工品を控える
加工品に含まれる保存料などの化学物質は、腸内細菌層を乱します。
インスタント食品・レトルト食、ハムやベーコンなどの加工肉は食品添加物が多く、人の身体での消化・解毒に負担がかかり腸内環境を悪くします。
特に保存料(殺菌剤)の多い、コンビニの食品や調理済みのお惣菜。これらは腸内細菌層を乱します。
チェーン店やファミリーレストランなどの外食も、加工された食材を扱っている可能性が高いので、なるべく頻度を少なくしましょう。
カンジダ除菌ステップ④血糖コントロールを徹底する
副腎疲労がある人は、コルチゾールが不足しているため低血糖になりやすいですよね。
カンジダ除菌中は、
- 精製された糖質・砂糖が含まれる食品
- お酒
- カビを含む食品
- 加工食品、加工肉
- グルテンとカゼインの含まれる食品
- 水銀の含まれる食品(大型魚)
を控えなければならないのですが、低血糖症の症状が強い人はこれがなかなか難しい。
過去の私は、副腎疲労による低血糖の症状が強く、甘いものへの渇望と我慢の反動で、食事制限を何度も失敗していました。
このような場合、捕食と漢方で血糖値の安定と副腎機能を先に多少上げておかないと、食事制限がうまくいかずカンジダ除菌に耐えられません。
ですから、低血糖症状がある人は捕食を徹底し、甘麦大棗湯や抑肝散陳皮半夏などを使って副腎機能(コルチゾールの分泌回復)をしておきましょう。
抑肝散はコルチゾールの無駄使い防止になるので私は重宝しました。
https://body-health-mind.com/yokukansan-hukujinhirou/
カンジダ除菌ステップ⑤便秘を改善する(発酵食品、食物繊維を意識した食事)
便秘の人はカンジダ除菌をしてはいけません。
なぜなら、カンジダ菌が死滅した時に保持していた重金属や毒物を排出するため、便秘でそれらが腸管内に滞ってしまうと毒物が再吸収されてしまうからです。
これがダイオフ症状の原因に直結します。
便秘の改善についてはこちらで書いていますので割愛いたします。
カンジダ除菌ステップ⑥アルコールを断ち、肝臓ハーブで肝臓機能強化
カンジダ除菌成功の要となるのが、肝臓の解毒機能です。
カンジダ菌が保持している毒物や重金属の解毒に肝臓が大忙しになるのですが、お酒を飲むとアルコールの解毒にも肝臓が酷使され、解毒能が低下します。
アルコールを普段から飲んでいる人や脂肪肝がある人は、肝機能が落ちている可能性があるので、あらかじめ肝臓ハーブで肝機能の底上げをしておきましょう。
Now Foods, 肝臓リフレッシュ、植物性カプセル180錠
カンジダ除菌ステップ⑦カンジダハーブ、ココナッツオイルでカンジダ菌の増殖抑制
ここからは、積極的なアプローチになります。
カンジダ菌に対して抗菌作用の強いハーブやココナッツオイルを少しづつ入れていきます。
①ココナッツオイル
ココナッツオイルの主成分は「カプリル酸」という中鎖脂肪酸。強い抗菌作用があり、悪いバクテリアやカンジダ菌に有効に働くことで、抗炎症効果があります。
②ハーブ、スパイス
ハーブはカンジダ菌の菌糸形発育を抑制します。
ハーブ
- シナモン
- クローブ
- バジル
- セージ
- オレガノ
- レモングラス
- コリアンダー
- ローズマリー
スパイス
- にんにく
- 生姜
- ターメリック
これらを食事に少しずつ取り入れてみるといいでしょう。
食事でハーブを取りづらい人は、カンジダサポートを夕食後に1カプセル飲むと良いと思います。
これだけでも便の量が増える人もいらっしゃいますよ。
カンジダ除菌ステップ⑧グルタチオンで解毒サポートする
強力な解毒作用をもつグルタチオンは体内で合成されますが、肝機能低下やATP不足、栄養不足があると合成が低下しているかもしれません。
私はダイオフに備えて、手っ取り早くサプリメントで補充して解毒体質にしてからカンジダ除菌に臨みました。
Jarrow Formulas, 還元型グルタチオン、500 mg、植物性カプセル 60粒
カンジダ除菌ステップ⑨カンデックスとカンジダハーブで集中除菌
準備期間として2〜3週間、人によっては1ヶ月ほどステップ①〜⑧(カンジダ菌を抑制し、肝臓強化して解毒経路も整える)を徹底してカンジダ除菌に備えたら、ここからが本番です。
本格的に集中して、悪性化したカンジダ菌をやっつけていきます。
カンデックスでバイオフィルムをはがしながら、カンジダサポートで除菌をして、これをクロレラor活性炭サプリで吸着し便として排泄していきます。
私は1週間を目処に行いました。
控える食事
- 精製された糖質・砂糖が含まれる食品
- お酒
- カビを含む食品
- 加工食品、加工肉
- グルテンとカゼインの含まれる食品
- 水銀の含まれる食品(大型魚)
サプリメンテーション
- カンジダハーブサプリ(1日2回2カプセル/食後)
- カンデックス(1日2回2カプセル/空腹時)
- プロバイオティクス(1日3回1カプセル/食前)
- グルタチオン(毎朝空腹時1カプセル)
- クロレラor活性炭サプリ(毎朝空腹時、食間空腹時)
カンジダ菌が毒素や重金属を排出することで起きるダイオフ症状として
頭痛や倦怠感、腹部膨満感や下痢、吐き気、蕁麻疹や吹き出物、発熱などが出ることがあります。これがダイオフの症状なので焦らず、ゆったりと過ごしましょう。
生理前は腸の働きと解毒能が低下するので不調が出やすいです。女性は排卵日〜生理中のカンジダ除菌は避けましょう。
Now Foods, カンジダサポート、植物性カプセル 90粒
Source Naturals, ヤエヤマクロレラ、 200 mg、 300タブレット
カンジダ除菌ステップ⑩VA、グルタミン、ケルセチンなど腸粘膜修復栄養素をいれる
カンジダ菌が除菌できたら、今度は傷ついた腸粘膜を修復して免疫を正常化しましょう。
腸粘膜の修復を助ける栄養素としてVA、グルタミン、ケルセチンを補充します。
- ビタミンA…1滴×2回(食事時)
- グルタミンパウダー…ティースプーン2杯×3回(水と一緒に、食間)
- ケルセチン…2カプセル×2回(食事時)
Kirkman Labs, マイセライズド・ビタミンA リキッド, 1 液量オンス (30 ml)
Jarrow Formulas, L-グルタミン, 8 オンス (227 g) パウダー
Life Extension, 最適化済みケルセチン、250 mg、ベジタリアン用カプセル60錠
これらを除菌中〜除菌後1週間は摂るようにしていました。
終わりに~カンジダ除菌成功の秘訣
カンジダ除菌を失敗する一番の理由は、きちんと準備をせずに焦ってはじめるからです。
肝機能を上げてきちんと解毒できる体にサポートしてから始めましょう。
私は解毒サポートもせずにカンジダハーブを入れて見事にしんどいダイオフを経験しました。
この記事はあくまで私のカンジダ除菌法ですが、なるべく体に負担の少ない除菌ができますことを願っております。
