わたしのコンサルティングでは、糖質制限をして、失敗して体調を崩した女性からの相談が後を絶ちません
かくいう私も、過去に糖質制限ダイエットをしていました。
はじめのうちは調子よく2kgくらい体重が落ちたのですが、
2〜3ヶ月で体重は落ちなくなり、運動しても、食べなくても痩せない身体になってしまいました。
どうしてなのでしょうか。
それは、糖質制限さえすれば痩せると思い、きちんとメカニズムを知らずに実践していたことが原因でした。
糖質制限でダイエットを成功させるには、
糖質制限に向いている体質・または身体のスペックを持っていることが重要です。
このことを知らずにむやみに糖質制限をしてしまうと、特に女性は重大な不調を招くことになりかねません。
この記事では糖質制限をしている時に身体の中で起きている痩せるメカニズムを解説します。
糖質制限中に身体の中で起こっていること
まずは糖質制限で痩せるメカニズムについて。意外とちゃんと理解できていない人が多いと思いますが、とても重要です。
1,水分が減る
糖質制限をすると、はじめのうちは体重がするすると落ちていきます。
その理由は、身体の水分が抜けるから。
グリコーゲン(ブドウ糖)はその3倍の水分と結びつきます。
だから、糖質(炭水化物)を控えると、体内のグルコースが保持していた水分が減り、体重も減ります。
糖質制限をすると1〜3kgはあっという間に落ちます。
ここで皆さん、糖質制に効果を感じ、どんどん糖質を制限するようになのですね。
2,血糖値が安定し食欲が落ちつく
糖質を制限すると血糖値が安定するため、食欲が落ち着きます。
糖質(炭水化物)を食べると、血液中に増えた糖(グルコース)を減らそうと膵臓からインスリンが分泌され血糖値を下げます。
この時、糖質(炭水化物)の多い食事をしているとインスリンの分泌が過剰になり、血糖値を下げすぎてしまいます(反応性低血糖)。
そうすると、身体は下がりすぎた血糖値を上げるために糖質を渇望するようになり、“甘いものが食べたい”、“ラーメンすすりたい”となるのです。そして、また上がりすぎた血糖値を下げるためにインスリンが過剰分泌が起こり、血糖値が下がりお腹が空く。
インスリンの働きで血液中に余分に泳いでいるグルコースは脂肪細胞に取り込まれるので、糖質が多いと“太る”わけです。
これが食事で糖質(炭水化物)が多い人が太る典型的なパターン。
糖質制限するとこの血糖値の乱高下の反応がなくなるので、身体は3食の食事でいい具合に血糖値が安定し、食欲も安定してきます。
3、糖新生で食欲が抑えられる
食事からの糖質の供給が少ない時、身体は筋肉のタンパクをアミノ酸に分解し、肝臓でグリコーゲンからブドウ糖を合成して(糖新生)、血糖値を安定させます。
このとき、肝臓からの糖新生を促進するホルモンが、副腎から分泌されるアドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾール。
このアドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾールは交感神経を優位にして、血糖値、脈拍を上げイケイケの状態にします。空腹感も抑えられ、食事なんてしなくても元気に動けてしまいます。
“さっきまでお腹が空いていたのに、なんだか落ち着いちゃった”というのは、この糖新生の働きで血糖値が安定するからです。また、寝ているときに食事をしなくても血糖値が安定するのは糖新生のおかげなのです。
4,ケトン回路で脂肪燃焼
しかし、糖新生でつくられる糖の量にも限界があります。
なので、厳しい糖質制限などでしばらく糖質(炭水化物)をとっていないと、身体は「糖エネルギーをメインに使う」から「脂肪酸エネルギーを使う」モードにシフトします。
あえて糖質を摂らず、ずっと枯渇した状態にしておくと、代わりにエネルギーとなるケトン体を供給しなければならないので、ケトン体回路が活発に回り続けます。
つまり脂肪細胞中の中性脂肪がどんどん分解放出されることになります。この活発な状態を「ケトジェニック状態」と言います。
こうして、厳密な糖質制限をすると脂肪燃焼が進み、ダイエット効果が高いのです。
糖質制限が向かない人がいる
ここまでの糖質制限で痩せるメカニズムを知ると、
『糖質さえとらなければ痩せられる!』
『糖質なんて、摂る必要ないんだ』
なんて思いませんか?
しかし、ここが落とし穴なんです。
実は、すべての人がこの『脂肪燃焼モード』に切り替わるわけではないのです。
糖質制限が向かない人の特徴
もうお気づきの人も多いと思いますが、糖質制限を成功させるには『糖新生』と『ケトン体回路』がうまく機能することが重要です。
しかし、この糖新生とケトン体経路を使うには、身体の代謝経路が整っていることが条件です。
私が思う糖質制限が向かない人は、6タイプあります。
- 脂肪が少ない人
- 胃腸の消化吸収力が弱い人
- 長鎖脂肪酸代謝がうまくいかない体質の人
- 副腎の機能が低下している人
- 鉄欠乏性貧血の人
- 妊娠に備える25〜35歳までの女性
この6つのタイプについて次回の記事で詳しくご説明します。
