栄養コンサルタントのあかねです。
美容・健康に意識の高い女性の方は、フルーツやスムージー、美容ドリンクが好きな方が多いと思います。
私もフルーツが大好きで、季節のものを時々、朝食に置き換えて摂ったり、間食にりんごなどを数切れ食べることもあります。
ダイエットや美容のためにスムージーやフルーツのみの朝食というのも流行りましたね。
しかし、フルーツは身体に良くても、『フルーツジュース』が身体に良いとは限りません。
なぜなら、果糖( フルクトース)の摂りすぎは、肝臓に負担がかかり内臓脂肪を増やすということがわかってるからです。
果糖は血糖値を上げにくいけど、太らないはウソ
砂糖は食べると、腸など消化管の中で果糖とブドウ糖という2種類の単糖に分解され、それぞれ別のルートで消化される。ブドウ糖は血液中に出て、全身の細胞をめぐってエネルギー生産に使われる。一方、果糖は肝臓だけで代謝される。そのため、果糖は血糖値を上げず、さらに甘味は強く、ブドウ糖より低カロリーという特性もあり、体に良いというイメージが浸透していた。 ただ、ブドウ糖は血糖値を上げてしまうものの、脳の満腹中枢に働いて食べ過ぎを防ぐという面もある。ところが、果糖には食欲の抑制の仕組みがない。このため、「肝臓で余った果糖は脂肪になって蓄積し、脂肪肝などにつながる」 果糖、取り過ぎ要注意 脂肪肝など生活習慣病にも:日経ニュース
果糖(フルクトース)は肝臓ですぐに代謝されるため、ブドウ糖に比べ血糖値を上げにくいという特徴があります。
しかし脂肪として溜め込まれやすい性質があります。
果糖は、ブドウ糖のように直接エネルギーに変換されない代わりに、肝臓に直行して余った分は中性脂肪やコレステロールになりのです。
『果物』と『果汁100%ジュース』は別物
“食事では野菜や果物の摂取が不足していてビタミン不足だから”と、野菜ジュースや100%果汁のミックスフルーツジュースを飲んでいる方もいるかもしれません。
フルーツが身体に良いと言われているのは、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富だからです。
しかし、果汁100%ジュースにいたってはあまり食物繊維は含まれず、ビタミン・ミネラルもほとんど失われています。残っているのはほとんど果糖。
ジュースの製造企業は、健康増進効果をいくも売り込み、添加甘味料は使っていないから体にいいと主張する。それは真っ赤な嘘だ。 100%天然果汁のオレンジジュースは、清涼飲料水より、むしろカロリーが高い。清涼飲料水の果糖含有量は1オンス(約28g)につき1.7gだが、オレンジジュースでは1オンスにつき1.8グラムなのだ。 引用:果糖中毒
微量のビタミン・ミネラルの恩恵より、果糖の害の方が多くなってませんか?
果汁ジュースは果糖の含有量が非常に多いです。代謝には肝臓に負担をかけ、中性脂肪を増やす原因になります。
健康・美容ドリンクの原料に注意!『異性果糖』
健康・美容ドリンクに必ずと言っていいほど含まれている果糖。よく目にすると思います。
果糖が50%未満のものを「ブドウ糖果糖液糖」
果糖が50%以上のものを「果糖ブドウ糖液糖」
と、日本では表記されています。
これは異性化糖といい、でんぷんを酵素分解して作られる糖で、ブドウ糖と果糖の混合糖です。
果糖といっても、あまり質の良くない糖分です。
日本肥満学会の徳永勝人評議員は「果物には繊維や他の栄養素も含まれるので果糖の吸収は緩和される。高果糖シロップのように果糖を直接取り込むと、肥満や糖・脂質・尿酸の代謝異常、高血圧とメタボの症状になりやすい」と指摘する。 果糖、取り過ぎ要注意 脂肪肝など生活習慣病にも:日経ニュース
この異性化糖は血糖値も急激に上げるし、脂肪も蓄えやすくなります。
実はこの異性化糖、健康・美容を謳うドリンクも使用されていることがあります。
現代人は、知らない間に、調味料、清涼飲料水、加工食品に含まれる異性化糖から果糖をたっぷり摂取しています。
スプーン一杯使う程度の調味料に含まれている程度ならまだしも、ドリンクに含まれている量を丸々一本飲むと考えると…私は少し恐ろしくなります。
脂肪肝の増加はお酒より異性化糖
長い歴史を見ても、現代は果糖を多く摂取していると思います。人間の身体は大量の果糖に対応できるよう進化していません。
アルコールを飲まないのに、肝臓の数値が悪いという人。
そういう方は、普段から異性果糖を含むスポーツドリンク・野菜ジュースや健康ドリンクを飲む習慣がないか、注意してみてください。
意外に、果糖を摂りすぎていることが原因で、脂肪肝になっているのかもしれません。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
女性誌や美容サイトでは、健康・美容を謳ったドリンクが多数紹介され、美容成分や効能に目をひかれ購入する人も多いかもしれません。しかし、果糖や合成料の代謝にビタミンやミネラルが消費され、せっかくの効果が相殺されている可能性があります。健康食品は美容成分以外の原材料にも注目して、賢く選びましょう。
果物もたくさんのミネラル・ビタミン・食物繊維などが豊富ですが、果糖の代謝を踏まえて、摂りすぎには注意。特にヴィーガンや菜食・マクロビなどの食事方を実践する人たちは果物の摂取量が多くなりがちですが、肝臓に負担のかからない量と頻度を考えて摂ることをお勧めします。
