この記事のテーマは浮腫み(むくみ)改善。
女性に多い悩みの一つですよね。
- 生理前
- お酒をたくさん飲んだ時
こういったときに浮腫むというのは、ある程度仕方がないもの。
しかし、日常的に浮腫みやすいという人。
それは胃腸機能低下による低タンパク・鉄欠乏の症状かもしれません。
浮腫みの根本原因を改善しない限り、一向に浮腫みから解放されません。
- 朝はいつも浮腫んでいる
- 水分を摂るだけで浮腫む
- 運動をすると浮腫みが取れるけど、一時的
- 冷え性がある
- だるい、疲れやすい
そんな悩みをお持ちの女性にぜひ知ってほしい、浮腫みのメカニズムと浮腫み体質の改善方法についてお伝えします。
この記事を読んでいただければ、なぜいつも浮腫んでいるのか、どうすれば改善するのかお分りいただけると思います。
目次
浮腫みに関係するアルブミンの働き
まず、浮腫みのメカニズムからご説明しましょう。
浮腫みというのは、血液中の水分が血管の外へ漏れてしまっている状態を言います。
血液中で水分を保持する重要な働きを持つのが、「アルブミン」というタンパク質。
アルブミンは血液中(血清)に多く含まれるタンパク質の一つで、アミノ酸などの栄養素を運搬するほか、血液の浸透圧を調整する働きをしています。浸透圧というのは、血管に水分を取り込んだり、排出したりするときの圧力のことです。
▲正常な血管内:赤血球・アルブミン量がしっかりあり、水分が保持されている
▲浮腫の原因:赤血球・アルブミン量が少なく、血管内に水分が保持できない
このアルブミンが血液中に少ないと、細胞間質(細胞と細胞のすき間)にある水分を血管に取り込む圧力が弱くなり、水分を血液内に保持することができず、水分が溜まりやすくなるのです。
この状態が、いわゆる“浮腫み”という症状として現れます。
アルブミンの量が少なくて、血管内の水分が不足し血液濃縮が起きている状態を、分子栄養学では“脱水”と言います。
貧血でも浮腫みが起きる
もう一つ重要なのが、血液中の赤血球の量。
血液中の赤血球の量が少ないと、血管内の血球濃度が薄くなってしまうので、濃度を保つため水分を調節します。
【赤血球不足で起こるむ浮腫みのメカニズム】
赤血球不足で血管内の濃度が下がる
↓
浸透圧が下がる
↓
血管内に水分を保持できない
↓
細胞間質に水が漏れ出る
↓
浮腫む
鉄欠乏性貧血で赤血球が十分に作られていない体内では、血管内に水分を保つことができず、水分は細胞間質に溜まっていきます。
浮腫みは、鉄欠乏の症状の一つでもあるのです。
タンパク質&鉄分が足りていれば浮腫みにくい身体に
アルブミンの原料はタンパク質です。
なので、タンパク質の摂取(お肉、魚介類、卵、豆類)の摂取が少ない人は、原料となるタンパク質が少ないので、アルブミン不足になりがちです。
ダイエットのために食事の量が少ない女性や、お肉などがあまり好きではない女性は、タンパク質が足りないので筋肉が細く、“痩せているのに、ぽちゃ”っとしています。
また、女性は毎月の月経で多くの鉄分を失うため、潜在的に鉄欠乏になっている人が多いです。
- 月経量、期間が長い
- だるさが抜けない
- 冷え性
- 疲れやすい
- 甘いものがやめられない
- 情緒不安定
- 胃もたれしやすい
これらは鉄欠乏の症状です。
上記の症状が当てはまる人は、鉄欠乏が原因で『浮腫みやすい』ということです。
鉄分・タンパク質の多い食事
さて、ここまで読んでいただいて、
『いつも糖質ばかりで、タンパク質が足りていなかったな』
『そういえば、最近疲れやすかったり、エネルギー不足を感じる』
と思った女性の皆さんは、タンパク質&鉄分リッチな食材を食事に取り入れてみてください。
鉄分、タンパク質の多い食材の代表選手といえば赤身肉やレバー。
しかも、動物性たんぱく質に含まれるヘム鉄は、身体に吸収されやすいのでオススメです。
【鉄・タンパク質を多く含む食材】 牛ヒレ肉、馬肉、ラム肉、マグロ、カツオ
浮腫みの原因は胃腸機能の低下かも
しかし、タンパク質&鉄分リッチな食事にするにしても、気をつけなければならない点があります。
それは、消化・吸収。
消化機能が低下している人は、タンパク質を食べていても『消化・吸収』できていない場合があります。
- 胃酸抑制剤を飲んでいる人
- 萎縮性胃炎のある人(自覚しにくく、女性に多い)
- ピロリ菌のある人(胃がアルカリ性になる)
- 過緊張のある人(胃酸分泌障害)
- ストレスを抱えている人(胃酸分泌障害)
- 鉄不足がある人(胃酸分泌低下)
こんな人は、消化機能が低下しています。
消化機能低下についてはこちらの記事でも触れていますので、ご参考ください。
実は、『タンパク質』と、『鉄』は、どちらも消化に関わり、不足していること自体が胃腸機能低下の原因になります。
画像提供*妊活応援自然療法複合型サロン
食べ物が胃に入と、ペプシンという消化酵素の前駆体が分泌されます。この消化酵素の原料はタンパク質です。
胃腸機能の低下によるタンパク質不足がある人は、原料不足で消化酵素の分泌も減ってしまっているので、急にタンパク質の多い食事をしてしまうと消化しきれません。
消化力を超えた量のタンパク質を摂ると、吸収できないばかりか、未消化のタンパク質が腸を汚してしまいます。
そして、胃酸を分泌し、食べ物を消化・吸収するにもエネルギーが必要ですが、そのエネルギーを生み出すのに多くの鉄が使われます。
鉄欠乏があると、エネルギーが不足し胃酸の分泌が上手くできません。
さらに、胃粘膜はコラーゲンでできていますが、このコラーゲンの材料も鉄とタンパク質です。
胃粘膜が弱っていると、胃もたれがして消化に負担のかかる食べ物を避けるようになるので、パンやうどんなどを好んで食べるようになり、余計にタンパク質不足になります。
ストレスや緊張が続き、胃腸機能が低下している人は、たんぱく質の消化に注意しなければなりません。
胃腸機能低下→鉄・タンパク質吸収不足→消化力低下→消化不良→鉄・タンパク質吸収低下
という、悪循環を起こしてしまう可能性があります。
タンパク質を上手に消化・吸収するには
低下した消化力を補うには
- よく噛む
- 調理を工夫して消化しやすくする
- 胃酸の分泌を促す調味料をちょい足し
が効果的です。
消化に負担がかからないよう工夫しながら、少しずつタンパク質・鉄分リッチな食材を食事に取り入れていきましょう。
よく噛む
消化は口から始まります。
よく噛むことで副交感神経のスイッチが入り、胃の機能が活発になり、消化酵素や胃酸の分泌を促します。
特にストレスなどで交感神経優位・体がガチガチでリラックスが下手な人はよく噛むことから始めましょう。
よく噛むだけでリラックス効果もあるので、よく内臓が動くようになります。胃への負担が激減し、吸収率が変わります。
調理の工夫
お肉をミンチにしたり、塩麹やお味噌、お酒などの発酵食品につけると、タンパク質の分解を促進しお肉を柔らかく・消化しやすくしてくれます。
胃酸分泌を促進する調味料
レモン・お酢・梅干しなど、酸っぱいものは胃酸の分泌を促進します。
酢の物の小鉢から食べたり、飲み物をレモン水にするなど工夫すると、タンパク質の消化が良くなります。
レモンに含まれるビタミンCは、鉄の吸収率もUPさせてくれます。
食事の際、水分を摂りすぎるのはNG。胃酸が薄まり消化力が落ちます。
消化酵素・胃酸のサプリを補充する
いくら消化の工夫をしても深刻なタンパク質不足・鉄不足がある人は、消化酵素、胃酸が十分分泌されない場合があります。
そんな人は、手っ取り早くサプリメントで補充して、消化を助けてあげましょう。
塩酸ベタインは、要は『胃酸』です。食事中に1タブレット補充。
おわりに
浮腫みといえば、カリウムの多い食材を摂ると言う人も多いかもしれませんが、浮腫みの根本原因、体質を改善しなければただの対症療法に過ぎません。
結論を言うと、浮腫み知らずのヘルシーボディーを手に入れるには、お肉を食べることと、お肉を消化できる胃腸が必要だということです。
一時的に消化酵素、胃酸の補助にサプリメントを活用し、しっかりタンパク質と鉄分を補給できれば、自前の消化酵素が分泌できるようになり、お肉も消化・吸収できるようになります。
もちろん、全ての浮腫みの原因とは言えませんが、タンパク質・鉄不足は多くの女性に見られます。
浮腫み体質から抜け出せない!というお悩みをお持ちの女性の、少しでも参考になれば幸いです。
