分子栄養学カウンセラーで歯科衛生士のPUNIです。

 

生理前に食欲が増すのは、女性にとっては当然のこと。赤ちゃんを育てるために必要な生体の反応です。

 

しかし、

  • 食欲が強すぎる、
  • 過食衝動がある、
  • 食事をした数時間後に具合が悪くなってしまう
  • 体重が増えすぎる

など、日常生活に支障が出るほど症状が強い人は、放置しておくと症状が悪化したり、身体にはあまりよくありません。

 

生理前の食欲には4つのメカニズムがあります。

ホルモンの働きを理解して、できることから対策してみましょう。

生理前の食欲をコントロールするポイントも解説しています。

身体を満たす食事をマスターして、生理前も太りにくい身体を手に入れましょう!

 

⒈生理前が太りやすい原因は“インスリン抵抗性”


引用:糖尿病と女性のライフネットワーク

▶︎月経から排卵日までの卵胞期は、痩せ期

卵胞期では、女性ホルモンのエストロゲンが分泌され、エストロゲンの作用でインスリンの効きが良くなるためダイエットに適した時期だと言えます。

インスリンの効きが良いと、脂肪を溜めにくく、上手に痩せられます

インスリンは別名「太るホルモン」と呼ばれ、体内で唯一の血糖値を下げるホルモンです。

インスリンの作用は、取り込んだ糖をエネルギーとして使わずに、脂肪を貯蓄するように働きます。

そのインスリンの効きが良いという意味は、インスリンを必要以上に過剰に分泌しないという事。

太るホルモンのインスリンの分泌が正常であれば、脂肪細胞に糖を取り込む量が少なくて済む=脂肪を貯蓄しにくいということです。

▶︎排卵日から月経までの黄体期は、太りやすい

それに反して、排卵日から月経までの黄体期では、女性ホルモンのプロゲステロンの影響でインスリンの効きが悪くなります。

インスリンの効きが悪くなることをインスリン抵抗性と言います。

食事をしてもインスリンの分泌が遅れるため、効き始める頃には血中の血糖値が上がり過ぎてしまう。

そのため、いつもよりたくさんのインスリンを分泌し血糖値を下げようとします。

たくさんのインスリンが分泌されると、脂肪細胞に糖を取り込む量が増えます。

こうして、プロゲステロンはインスリンの働きに作用し、どんどん脂肪として貯めこもうとするのです。

これは、妊娠に備える女性の身体に、必要なエネルギーや栄養を蓄えるための生体反応なのです。

 

女性ホルモンと血糖値の関係

・エストロゲンはインスリンの効きを良くする。

・プロゲステロンはインスリンの効きを悪くする。

・インスリンの効きが良いとは、インスリンが効果的に作用し、血糖値が下がりやすい。

・インスリンの効きが悪いとは、インスリンがうまく作用せず、血糖値が下がりにくい。

 

しかし、今度は血液中の糖を細胞に取り込み過ぎて、血液中の糖が足りなくなる=低血糖を起こしてしまう場合があります。

 

 

⒉生理前のドカ食いの原因は“機能性低血糖”


インスリンが多く分泌され、必要以上に糖が細胞に取り込まれてしまうと、血液中の糖が足りなくなります。

この反応を機能性低血糖といます。

女性は、プロゲステロンの影響で生理前はインスリンの効きが悪くなるため、食事をすると高血糖になりやすくなります。

それを下げるためにインスリンの分泌が多くなってしまい、結果、血液中の糖を取り込み過ぎて機能性低血糖症になりやすいのです。

血糖値が下がるのは、だいたい食後3〜4時間後

生体としては危険な状態なので、フラフラしたり、焦燥感や冷や汗、イライラなど様々な症状が現れます。

こうなると身体は手っ取り早く血糖値を上げたいために、糖質の欲求が高まります

こうして、生理前は食欲が増す、特に甘いものやパンやパスタなどの炭水貨物を食べたくなるのです。

 

⒊生理前の“甘いものが食べたい”は、『やる気出したい』


▶︎生理前はドーパミンが減る

ドーパミンは脳の神経伝達物質の一つで、“やる気”を生み出しています。

ドーパミンが分泌されると、楽しみ、至福感、幸福感を感じることができます。

しかし、ドーパミンレベルが低いと、集中力がなくなり、やる気がなくなり、無気力になり、抑うつ感さえも感じるようになります。

生理前はエストロゲンが少ない影響で、このドーパミン分泌が抑制されると言います▼

参考*PMSの症状が出ている時期はドーパミン分泌は抑制されている

ということは、生理前は必然的に集中力は低下し、無気力・やる気なしになるということです。

しかし、そのままでは仕事もやる気が出ないし、家事も面倒で部屋が散らかり放題。

メイクやおしゃれもどうでもよくなってくる…。

そんなの、耐えられませんよね。なんとかやる気を出さないとストレスになります。

そんな時に手っ取り早くドーパミンを出してくれるのが糖質

糖質を摂ると、脳から報酬系の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンが放出されます

甘いものを食べると、一気にやる気と幸せ感が戻ってくるのですね。

そういうわけで、生理前の女性はインスリン抵抗性からの機能性低血糖の症状と併せて、ドーパミン不足も、生理前の糖質欲求を高めているのです。

 

糖質を摂らずにドーパミンを増やすには『運動』が有効です。

甘いものを食べて急激にドーパミンレベルをあげてしまうと中毒になります。

軽いリズム運動などでも十分セロトニンとドーパミンの分泌を促すことができます。

一駅分歩いて帰宅したり、軽いランニング、部屋でステップ運動をするなど、生理前は体を動かす工夫をしてみましょう。

 

⒋生理前の食欲は『栄養不足』


そもそも生理前は、栄養を蓄えようとするため食欲が増します。

タンパク質・ビタミン・ミネラルが充足して栄養で満たせていれば、生理前でも食欲は安定しやすい。

しかし、糖質の摂りぎによるビタミンB群の消耗や、ストレス・イライラによるミネラルの消費が進むと、身体は栄養不足を感じるため、過食になります

上記のように女性は糖質欲求が高まることが原因で偏った食事になりやすくなるので、意識してタンパク質や野菜を食べ、栄養素の偏りをなくす必要があります。

 

食欲増加を防ぐ食べ物と摂り方


生理前の食欲をコントロールするポイントは

①血糖値を安定せる

②栄養を充足させる

③ストレスをためない・軽い運動をする

この3つです。

 

頻回食にして血糖値を安定させる

血糖値が乱高下しやすい生理前は、こまめに間食し、空腹時間が長くならないようにします。

血糖値が下がりきった空腹時にお菓子はNG!

ナッツやゆで卵、チキンなど低GIのものをつまむようにして長時間の空腹避け、血糖値を安定させれば、甘いものへの欲求は軽減されるはずです。

血糖値を安定させる食事についてはこちらの記事をご参照ください▼

甘いものがやめられない。眠気、イライラ、不安の原因『低血糖症』予防は間食

 

②栄養を充足させる

特に生理前に需要が高まり、不足すると不調になったり、渇望欲求が出やすくなる栄養素をまとめました。

大原則として、生理前はタンパク質を積極的に摂り、一度に糖質は摂りすぎずに血糖値を安定させ、栄養価の高い食事を心がけます。

 

【鉄】赤身肉、レバー、まぐろ、かつおなど

女性は、生理によって体内から大量の血液を失います。血液を構成する「ヘモグロビン」の主成分は鉄です。鉄が不足すると、体がダルくなり貧血にもつながります。食材から鉄分を吸収できる赤身肉や赤身の魚を意識的に摂るようにしましょう。

 

亜鉛】牡蠣、魚介類、葉菜、根菜、レバー、アーモンド、大豆製品など

インスリンの工場、膵臓は亜鉛の需要が高い臓器です。生理前の渇望欲求に、膵臓での消費が高まることによる亜鉛不足が関係していることが考えられているようです。

 

ビタミンB6】牛肉・豚肉・鶏レバー・マグロ・玄米など

B6はセロトニンをつくるのに必須の補酵素です。ただでさえ生理前はセロトニンが分泌されにくい上に、B6不足が加わると低セロトニンを助長してしまいます。B6は赤身肉に多く含まれ、タンパク質との摂取で利用効率が高まります。そして、タンパク質に含まれるトリプトファン(必須アミノ酸)はセロトニンの原料です。良質の赤身肉は鉄分も摂れて、一石二鳥にも三鳥にもなりますね。

 

・肌荒れ・むくみ対策

【ビタミンC】ブロッコリー、ゴーヤ、菜の花、キウイフルーツ、いちご、オレンジなど

ストレスに対抗するホルモンを作る上で欠かせないビタミンです。生理前のイライラや肌荒れに役立ちます。

 

【カリウム】ほうれん草、バナナ、りんご、じゃがいも、里芋など

むくみやすいこの時期は、カリウムを摂ることで余分な水分を体外に排出してくれます。

 

【食物繊維】ブロッコリー、オクラ、納豆、ひじき、しいたけ、えのきたけなど

生理前は女性ホルモンの影響によって胃腸の働きが抑制され、便秘がちになります。食物繊維は、便のカサを増やし腸のぜん動運動を活発にし、腸内細菌の餌となり腸内環境を整えてくれます。

 

 

③ストレスを溜めない・軽い運動をする

無理をしない、ストレッサーを排除する、軽い運動などで発散するなど、自分が心地よいと思えることを積極的に取り入れることが、食欲の安定につながります。

ホルモンの影響で胃腸の働きも抑制されがちになるので、なるべくゆっくり、リラックスして食事をとりましょう。消化の負担軽減と、栄養の吸収が変わってきます。

やる気の落ちるこの時期は、無理と我慢はしないように。イライラすると食欲に直結します。

仕事や家事などは、頼めることは頼み、人にやってもらう勇気を持ちましょう。無理して辛そうにしているよりも、あなたが機嫌よくいることが、周りの人のためにもなるのです。

そして、軽くでもいいので体を動かす。運動はドーパミン・セロトニンの分泌を促してくれるだけでなく、筋肉にグリコーゲンを取り込み血糖値を安定させてくれます。

 

まとめ


妊娠に備える女性の身体は、本能的に栄養を蓄えます。

ドーパミンやセロトニンが減り、嫌なことに敏感になるのも、危険なのもから新しい命を守るのに必要な生物学的な理由があるのだろうと、私は思っています。

生理前はしっかり食べましょう。ただし、食べるものはビタミン・ミネラルリッチな栄養価の高い食材を選んでください。間違っても、コンビニスイーツやジャンクフードで食欲を満たさないように!血糖値の乱高下で食欲もメンタルも暴走します。

カロリー過多・栄養不足ではいつまでたっても身体は満たされません。

衝動に駆られてジャンキーな食物に手が伸びてしまう前に、上のリストを思い出し、生理前の太りやすい身体を上手に満たしてあげましょう。

 

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