歯科衛生士で分子栄養整合医学カウンセラーのPUNIです。

女性を憂鬱にさせる生理。下腹部痛、腰痛、頭痛などの“痛み”が辛いという人も多いのではないのでしょうか。

『生理中は鎮痛剤がないと過ごせない』という人もいれば、痛みをあまり感じずに生理を終える人もいます。

 

なぜ、この痛みには個人差があるのでしょう?

 

子宮の収縮や痛みには、摂取する脂肪酸の種類が関係していることがわかりました。

ここでは、生理前に摂る脂・油を気をつけるだけで、痛みを改善できる方法をお伝えします。

 

生理の痛みのメカニズム


生理前の「痛み」のメカニズムは、プロスタグランジンE2の過剰分泌によって起こります。

生理直前になると、経血を排出するために子宮内膜からプロスタグランジンが分泌され、子宮の血流を調節しながら子宮を収縮させます。

プロスタグランジンは、以下の3つに分けられます。

▶︎プロスタグランジンE1(PGE1)…血小板の凝集を抑え、血管を拡張し血流を増加させ、生理痛やPMSを軽くする

▶︎プロスタグランジンE2(PGE2)…発熱や炎症を起こす。排血のために子宮を収縮を促し、過剰に分泌されると生理痛の原因となる

▶︎プロスタグランジンE3(PGE3)…抗炎症作用があり、子宮の過剰な収縮を抑える

これらの生理活性物質のバランスが崩れることで、生理痛が強まります。

痛みや炎症を起こすプロスタグランジンですが、これを抑制してくれるのも、プロスタグランジンなのです。

 

プロスタグランジンの原料は“脂質”


プロスタグランジンは必須脂肪酸を原料として体内で合成されます。

炎症を抑制してくれるプロスタグランジンE3はオメガ3(n–3)系脂肪酸から作られます。

対して、炎症を激化させるプロスタグランジンE2は、オメガ6(n–6)系脂肪酸です。

これらの脂肪酸は食品に含まれ、摂取量の比率で、プロスタグランジンの合成量が変わってくるということ。

つまり、普段の食事の影響を受けやすいということです。

 

引用:http://www.j-milk.jp/kiso/eiyou/berohe000000efh2.html

 

 

控えるべき脂質


生理前に控えるべき脂質は、オメガ6(n–6)系脂肪酸であるリノール酸アラキドン酸。プロスタグランジンE2の原料となります。

【オメガ6(n–6)系脂肪酸】

リノール酸:ひまわり油、コーン油、大豆油、サフラワー(紅花)油、ごま油。

γリノレン酸:母乳に含まれ、天然の食品にはあまり含まれない。

アラキドン酸:肉類、レバー、卵、魚介類など、動物性食品に含まれる。

体内でリノール酸からアラキドン酸が生成されます。

 

生理痛の原因は、子宮内膜からプロスタグランジンE2が過剰に生成されることです。

プロスタグランジンE2は細胞膜を構成するアラキドン酸から合成されます。生理の時は、内膜が剥がれることによって、傷害された細胞膜からアラキドン酸が遊離し、血液中の酸化酵素によってどんどん酸化されていき、炎症や痛みを引きおこす物質がつくられていきます。

リノール酸から生成されたアラキドン酸は酸化しやすいため、プロスタグランジンE2を大量に生成します。

リノール酸をたくさん摂るほど、痛みや炎症がおきやすくなるのです。

プロスタグランジンE2は血管を収縮させる作用もあるので、腰痛やだるさ、冷えがひどくなり、全身的な不調も感じやすくなります。

 

そして、トランス脂肪酸。

トランス脂肪酸はPGE1、PGE3の生成を阻害したり、脂溶性ビタミンの利用を妨げます。

トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、サラダ油など

マーガリン・ショートニングを使ったケーキやクッキー、アイスクリーム、フライドポテトは生理痛を助長する要因になるので控えたいものです。

 

例外なのはγ-リノレン酸。

オメガ6(n–6)系脂肪酸に分類され、食品からの摂取はあまり望めない脂肪酸ですが、一部健康へのメリットも報告されていて、生理痛の改善にサプリメントを処方しているクリニックもあるようです。

γ-リノレン酸を一定量摂取することで、プロスタグランジンE1が増加し、PMS症状、更年期障害などの緩和が期待されると言われています。

参考書籍:女性のイライラがスッキリ消える食事 (マイナビ文庫)

 

積極的に摂りたい脂質


一方、積極的に摂りたい脂質というと、オメガ3(n–3)系脂肪酸であるαリノレン酸、EPA、DHA。プロスタグランジンE3の原料となります。

【オメガ3(n–3)系脂肪酸】

αリノレン酸:しそ油、亜麻仁油、えごま油、くるみ

EPA・DHA:イワシ、マグロ、ブリ、サンマ、サケ、カツオなど魚油

PGE3の分泌が増えることで、PGE2の過剰分泌は抑えられ、子宮の過剰な収縮を防ぐことができます。

生理一週間前から意識して摂ると、生理痛の予防に繋がります。

 

オススメの食事法


対策としては、まずはリノール酸の摂取を控えることです。揚げ物や炒め物の油は良質なオリーブオイルや菜種油に替えると良いでしょう。

レバー、卵、お肉などは、栄養価も高く、妊娠に備えて栄養の需要が高まる排卵日後はしっかり摂りたい食材。しかし、アラキドン酸を多く含みます。魚からのタンパク質摂取を心がけましょう。

 

ここからは、私の食生活でのちょっとした工夫をご紹介します。

私は普段からしっかりタンパク質を摂るようにしていますが、できるだけ魚を多めに取り入れいるようにしています。

 

冷奴にかけたりサラダのドレッシングなど、生で使う油はクセのない亜麻仁油

炒め物など加熱する油は酸化しにくいオリーブオイルやココナッツオイルを使います。

 

鮭とブロッコリーをオリーブオイルでソテーし、ソイマヨ・山椒と醤油少々で和えただけ。

 

塩胡椒して片栗粉をまぶしソテーしたサバに、玉ねぎとトマトを微塵切りにして、亜麻仁油とビネガーで和えたソースをかけて。

魚はイワシ、鮭、ブリ、秋はサンマなどがよく食卓に並びます。カツオやマグロもいいですが、大型魚は水銀汚染が心配なので頻度少なめにしたいところ。

 

ストイックに食事を制限すると返ってストレスになってしまうので、お魚をたくさん食べるようにしていても、『お肉を食べたい!』と思った時は、我慢せずに食べています。

生理前の身体は栄養に対する需要が高まります。

お肉に含まれるビタミンやミネラルなどの栄養素を欲していることもあると思うので、無理に控えることはしません。しかし、お肉や卵ばかり食べているとアラキドン酸過剰になってしまいますので、お肉は3回に一度にするなど、比率を考えるようにいています。

そして、私はトランス脂肪酸の多いお菓子や揚げ物を控えるようになってから生理痛が軽減した体感があります。まずは、お菓子や揚げ物を控えることをお勧めします。

 

こちらの記事もご参考ください↓

食事と睡眠、4つのポイントで劇的に楽になる。わたしのPMS改善方法

 

終わりに


ロキソニンなどの非ステロイド系の痛み止めは、アラキドン酸を酸化させる酵素の働きを阻害することによって、プロスタグランジンが生成されるのを抑制します。これにより痛みを軽減できるわけです。

ところがプロスタグランジンには副交感神経を優位にし、「胃粘膜を保護する」働きもありますから、痛み止めの多用には胃潰瘍や胃炎などの副作用のリスクもあります

生理の時にプロスタグランジンが分泌されるのは、経血を排出するための生理機能です。

決して悪者ではなく、摂取している脂質のバランスがよければ、痛みはほとんど感じずに適切に体の中で生理機能を助けてくれます。

痛みを我慢することはありませんが、生理のたびに痛み止めを飲むのは、少し胃の負担になります。

できれば食事で整えて、お薬を減らせたり、飲まなくても過ごせるような身体を目指したいですね。

子宮内膜の細胞は毎月の月経で入れ替わります。まずは、日々の食事の中で少しずつ、取り入れてみてください。

 

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