歯科衛生士で分子栄養整合医学カウンセラーのあかねです。
最近、スピリチュアルブロガーが人気ですね。
心を救われたい女性で溢れるこの御時世。
どんなにスピリチュアルに頼って、思考を変えたって、パワーストーン買ったって、カウンセリング受けたって、セミナー行ったって、アファメーションしたって、幸せを感じられない女子のみなさん!
幸せを感じないなら、食事を変えましょう。
この記事を読むことで、スピリチュアルに頼ることなく、科学的・具体的に幸せな気分を得る方法を知ることができます。
目次
幸せを感じない理由
幸せを生み出すのは心だと思ってませんか?
違います。幸せを生み出すのは身体です。もっといえば、脳です。
脳にセロトニンが分泌されることで私たちは“幸せ”を感じることができるのです。
どんなに日常の良い面にフォーカスしても、ぜんっぜん喜びや幸せを感じないあなた。
それはセロトニンが不足しているからです。身体が幸せ物質を作れなければ、いくら思考を変えたって幸せな気持ちにはなれません。
幸せを感じる“脳”のメカニズム
セロトニンとは?
みなさまもご存知の通り、セロトニンとは別名“幸せホルモン”です。
この幸せホルモンであるセロトニンは、たんぱく質のトリプトファンを原料にして作られるホルモンです。
これが脳内に分泌されることによって、私たちは“幸福”を感じることができるのです。
セロトニンの働き
1脳の最適な覚醒状態の維持 2精神の安定、リラックス 3自律神経のバランスを整える 4痛みを和らげる
このように、セロトニンは幸せ感を生み出すだけでなく、精神を安定させ不安を和らげたり、脳の働きを正常化する働きがあります。
不足すると、不安を感じやすくなったり、痛みに敏感になったり、眠れない、朝が起きられないなどの不調が出てきます。
セロトニンが分泌されるには?
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料に5HTP(5–ヒドロキシトリプトファン) に変換されセロトニンになります。
そして、この5HTPからセロトニンに変換されるには、補酵素であるビタミンB6が必要です。
この二つの栄養素が不足している人は、セロトニン不足である可能性が高いです。
朝日を浴びる、リズム運動をする、甘いものを食べることでも一時的にセロトニンの分泌は促されますが、材料である栄養素が不足していれば、分泌自体が減ってしまうのは、想像がつくと思います。
そもそも女性はセロトニンの分泌が少ない
Diksicらの研究によると健常男性は女性より約52%脳内セロトニンを産生する能力が高く、セロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する[12] Wikipediaより
…女性はもともと男性の半分しかセロトニンの分泌量が少な上に、トリプトファンが十分にないとセロトニンが深刻に減少するという事実。
女性の方が男性よりも幸せを感じにくいので、不安になりやすい。
寂しがりで依存しやすいメンヘラが女性に多いのも納得です。
今では男性と同じように働く女性が多いですが、女性は男性と同じような身体と精神力は持ち合わせていません。
傷つきやすい、依存しやすい、精神を病みやすいのはセロトニン不足が関係しているのかもしれないので、精神論で頑張りすぎるのはやめましょう。
栄養不足が“幸せ不足”を生む
セロトニンを作るには栄養が必要です。
セロトニンが作られるには、トリプトファン、ビタミンB6、亜鉛が特に重要です。
トリプトファン不足
必須アミノ酸であるトリプトファンは、体内で生成できないので、食事から摂らなければなりません。
食べ物から摂取したトリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
そのため、トリプトファンが不足すると、セロトニン・メラトニンの両方が不足し、不眠症や睡眠の質の低下を引き起こす原因となります。
食事のたんぱく質の摂取量が少ない人は必然的にメンタルが安定しにくくなるということが言えますね。
トリプトファンは大豆製品、チーズなどの乳製品、マグロ、カツオ、レバー、豚ロース肉、鶏胸肉に多く含まれます。植物性たんぱく質より動物性たんぱく質の方が含有量が多いです。
お肉好きにメンタルの弱い女子は少ないですよね?
肉食女子がポジティブでメソメソした人がいないのは、しっかりセロトニンが作られているからかもしれません。
ビタミンB6不足
脳のB6濃度は血中の100倍もあり、精神機能に大きく関わっています。
前述した通り、いくらトリプトファンが充足していても、B6が不足していればセロトニンに変換できません。
B6が不足する原因は腸内環境の悪化です。B6は腸内で合成されるビタミンですが、腸内環境が悪いと合成できなくなります。
便秘、下痢、腹部膨満、ガスが臭い、便が臭う人は腸内環境悪化のサインです。
食物繊維と乳酸菌、酪酸菌、プロバイオティクスを意識して取りましょう。
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B6は、遺伝的に不足しやすい人もいるので、食事からも意識的に摂ることをお勧めします。
B6は牛・豚・鶏レバー、マグロ、カツオに特に豊富。鶏ささみや子牛肉、牛もも肉など、脂肪分の少ない赤身肉に多く含まれます。そして、これらの食品はトリプトファンも多く含むので、まさしくセロトニン合成に最適!
ただ、お肉などの動物性タンパク質は消化に負担がかかり、未消化のまま吸収されると腸内環境が悪化したりアレルギーの原因になったりします。消化や分解がしやすくなるように下ごしらえしたり、野菜や海藻など、食物繊維や酵素の多いものと一緒に食べましょう。
「摂れば摂るほどセロトニンがつくられる!」わけではありませんのであしからず。
不足しない食事にしましょう、ということです。
亜鉛不足
体内の250以上もの酵素の補酵素である亜鉛は、B6を活性化する働きがあります。
ここでは割愛させていただきますが、亜鉛は脳機能やホルモンバランスににおいても重要な働きをします。
牡蠣、魚介類、葉菜、根菜、レバー、アーモンド、大豆製品に含まれています。
炎症はセロトニン生成を邪魔する
炎症があるとトリプトファンは5HTPに変換されず、キヌレニン経路に使われてしまい、セロトニン生成に回らなくなります。
身近な例で言えば、風邪をひいたときの発熱やのどの痛みも炎症です。この時ばかりは、どんなにトリプトファンを摂ってもキヌレニン経路に変換されてしまいます。
リーキーガットによる腸の炎症、胃の炎症、アレルギー、皮膚炎、歯周病など慢性炎症を抱えてる人は、ずっとセロトニンを生成できないまま幸せ感の薄い毎日を送ることになります。
まずは身体の炎症をとることが大事です。
ストレスはセロトニン分泌を阻害する
ストレスを感じると、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。
コルチゾールが分泌されると、セロトニンの分泌が抑制されることがわかっています。
実はこのコルチゾールは、身体に炎症があるときも分泌されるので、このことからも慢性炎症がある人はセロトニン不足になりやすいと言えますね。
終わりに
幸せを感じる身体に変えるには、食習慣を見直し、自分に必要な栄養と量を見極めることが必要です。
そして、腸内を整え、炎症を取り除きましょう。
専門医の力を借り、炎症を抱えていないか、身体の状態を客観的に知ることも大切かと思います。
身体のどこかに炎症があれば、セロトニンはつくられないからです。
食生活の改善や根本原因に向き合うのは容易ではありません。どうすればいいのかわからない人は、栄養療法のカウンセラーに頼ることも一つの方法です。
身体はそう簡単には変わってくれません。食事を変えて変化を感じるには3ヶ月はかかると思います。
しかし、身体を変えれば心も変わる。これは人生においてより多くの幸せをもたらせてくれるはずです。
精神論で頑張っても苦しい。そんな時は食事を変えて、自然と幸せな気持ちが溢れる身体でいられたら、人生も変わると思いませんか?
参考
