尿酸はプリン体の最終代謝産物です。

人の身体はプリン体から合成された尿酸を分解し代謝することができません。

血液中の尿酸が多すぎると関節に蓄積して、痛風になる可能性があるため、尿酸値が高すぎることは問題になります。

そんな健康診断では悪者にされがちな「尿酸」ですが、身体の中でどんな働きをしているかご存知でしょうか?

実は、尿酸は悪者ではなく、むしろ、わたし達の身体をストレスから守る大事な役割を持っているのです。

 

尿酸の働き


 

尿酸は、人間が体内で作り出せる唯一の抗酸化物質です。

その抗酸化力はビタミンCをはるかに上回ります(約10倍)。

そして、実はヒト血清中の抗酸化物質の半分は尿酸が占めているのです。

人間以外の動物は、体内でビタミンCの合成ができますが、人間は進化の過程でビタミンCの合成能を失いました。

代わりに尿酸で抗酸化力を保つようになった、という説もあり、尿酸は体に必須なものです

尿酸の酸化ストレスの抑制には

血管の老化を防ぐ

血中の活性酸素の除去

などの大切な働きがあるのです。

尿酸値が高すぎる(7.0以上)のは問題ですが、低い人(3.0以下)は抗酸化力が不足しているということになります。

 

なぜ、尿酸値が高くなるのか


 

尿酸値が高くなる理由として

抗酸化物質が不足している・・体内に取り込むビタミンCの不足

酸化ストレスがある・・精神的・肉体的(活性酸素の発生)

尿への排泄障害・・飲酒や運動による乳酸の増加など

肥満・・中性脂肪には尿酸の産生を促す働きがある

代謝・再利用障害・・インスリン過剰分泌やアルコール、ビタミンB12・葉酸欠乏

が挙げられます。

 

なお、食事から摂るプリン体の影響はたった2割程度です。しかも、多くが腸内で分解されて排泄されます。プリン体は、8~9割が体内の肝臓で作られるのです。

 

尿酸値を気にしているひとの多くは、働き盛りの中年男性でしょう。

中間管理職となり、上司からのストレスと部下へのストレスの板挟み。昼食は忙しくてゆっくりとれずに丼ものやうどん、コンビニ食で済ませ、夜は仕事でお酒を飲む機会が増えてくる中年男性は、まさに酸化ストレスの塊です。摂取される抗酸化物質も少ないですが、消耗する抗酸化物質も多すぎるのです。

そのままでは、身体がどんどんサビついてしまうことになります。

そのため身体は酸化ストレス(サビつき)を消去してくれるものを多く必要とします。結果として血液中の尿酸濃度が上昇してきます。

つまり酸化ストレスが亢進している時に尿酸値が上昇するのは、身体の防衛反応なのです。

逆に、尿酸値が低い場合には、ストレスに弱い身体ということができます。

 

尿酸値をコントロールする食生活


 

そんな重要な尿酸は、高くなるには理由があるのですから、作られすぎてしまった分は排泄できていれば良いのです。

尿酸を上げないために改善できることは4つあります。

 

①糖質を減らす

②アルコールを減らす

③プリン体を含む食材を控える

④化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)を控える

 

①糖質を減らす

血糖を処理する『インスリン』の過剰分泌は尿酸の排泄を邪魔します

糖質の摂取が多いとその分インスリンも多く分泌されるため、尿酸の排泄がうまくできなくなる原因になります。

また、尿酸値が高い人は、肥満傾向の人が多いと思いますが、肥満になるとインスリンの血糖降下能が低下してインスリンの必要量が増えるので、体内にはたくさんのインスリンが出回るようになり、インスリン過剰の状態になります(インスリン抵抗性)。

インスリン抵抗性のために高インスリン血症になると尿酸排泄量が減って血清尿酸値は上昇 します。これは高インスリン血症は腎尿細管におけるナトリウム再吸収を増加させ、これと共 役する尿酸の排泄を低下させるためと考えられています。

 

このことから、ご飯、麺類、スイーツなどの糖質の摂取を減らすことは身体の余分な脂肪を減らし、インスリンの過剰分泌を抑えるのに効果があると言えるでしょう。

 

②アルコールを減らす

アルコールが体内で分解される時に尿酸が作られ、その際にできる乳酸が体内に尿酸を蓄積するので、アルコールを飲むと尿酸値は一時的に上がります。

痛風発作がアルコールを飲んだ時に出やすいのはこの仕組みです。

アルコールでプリン体を多く含むビールは一番控えていただきたいですね。

ワインは、尿酸値を下げるという説もありますが、アルコールですので控えるにこしたことはないでしょう。

断酒は難しい人が多いかと思いますので、このことを踏まえて、量や頻度を考えていただくのが良いかと思います。

 

③プリン体を含む食材を控える

食事からのプリン体の影響は2割程度と言われておりますが、痛風を発症している人は、摂り過ぎには注意した方が良いでしょう。

プリン体を多く含む食材には、あん肝や白子、レバーが有名ですね。

 

わたしの上司(仕事に情熱を注ぐバイタリティー溢れる中肉中年男性)は、役員会議の後の会食で、お寿司にビールという、アルコール&プリン体&糖質のトリプルパンチで痛風発作を起こしておりました。

尿酸値が高い方、お気をつけくださいませ。

 

④化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)を避ける

痛風患者では血中グルタミン酸濃度が高いことが指摘されているようです。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM196910022811405

味○素やだしの素、中華系の調味料には、「L-グルタミン酸ナトリウム」が主成分として使われています。なるべくこのような調味料の使用は控え、無添加の出汁や、出汁の粉末、ミックスハーブやスパイスで味付けすると、食材の旨味を引き立ち、料理も美味しくなります。

化学調味料まみれのコンソメで誤魔化さなくても、ミックスハーブソルトで十分美味しいスープが作れます。

原材料に化学調味料を含まない出汁や野菜スープの素もありますね。

 

 

尿酸値を下げるビタミンCを摂取する


 

抗酸化物質であるビタミンCが体内に不足すると、同じ働きをする尿酸が多く作られるこいうことですので、

尿酸の代わりにビタミンCを入れてあげれば、身体は尿酸を作る必要がなくなるので、結果的に低下すると言われています。

 

Now Foods, C-1000、バイオフラボノイド100 mg、250植物性カプセル

 

激しい運動はNG


 

適度な運動は体脂肪を減らし、ストレス発散にもなり尿酸値を正常化するのに効果的です。

しかし、激しい運動をしてしまうと乳酸が増えすぎるので、乳酸排泄が優先され、尿酸排泄が抑制されてしまいます。

 

 

ストレスを軽くする工夫を


 

仕事を精力的にこなす人は、尿酸値が高い傾向にあるそうです。

精神的高揚などでも痛風発作を起こすことがわかっています。

尿酸値が上がる原因は主に酸化ストレスです。

怒りや不安、緊張による自律神経の乱れで血流障害が起こり、それが原因で起こる体内の炎症も、活性酸素を増加させ、酸化ストレスを招きます。

意識的に、リラックスする時間を取り入れたり、瞑想やマインドフルネスを取り入れるなども酸化ストレスを軽減するのに効果があるでしょう。

 

尿酸値が低すぎる弊害と改善方法


 

心臓の血管に極度の酸化ストレスが加わったときに心筋梗塞が起きますが、血液中の尿酸値が低い人は、心筋梗塞にかかりやすいという研究報告があります。

体内の炎症などにより酸化ストレスが強く、抗酸化物質の需要に対し供給が追いつかない場合、尿酸値が下がりすぎることが推測されます。

尿酸の原料はタンパク質ですから、尿酸値が低すぎる人は原料のタンパク質不足の可能性があります。

タンパク質不足は、摂取不足の他に、消化吸収不良ということも考えられますので、消化酵素や塩酸で消化力を補いながら、お肉や魚介類などのタンパク質の摂取を増やすことをお勧めします。

酸化ストレスに弱いことは問題ですので、ビタミンCなどの抗酸化物質をサプリメントでこまめに補うことも必要かと思います。

 

 

薬で下げる前に、改善できることをしましょう


 

尿酸値が高くなるのは、酸化ストレスが強く、尿酸の排泄障害があるということです。生体反応ですので、お薬を飲んでも根本の治療にはなりません。まず食生活の改善が絶対の必要条件です。栄養療法的にさらに手伝うなら、ビタミンCをサプリメントで摂りましょう。

痛風は食事で十分予防可能です。

旦那さんの尿酸値が上がってきたら、愛情たっぷりの手料理で尿酸値をコントロールして、バリバリ働ける身体をサポートしてあげましょう!

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