皆さんは、漢方薬を使ったことはありますか?
漢方は、症状にあった漢方を正しく選べば、とても効果が高いものです。
その中でも、副腎疲労で疲れ・緊張がとれなかった私が、一番効果を感じた抑肝散について、ご紹介します。
- 緊張しやすい(過緊張)
- 寝つきが悪い
- リラックスが苦手
- 便秘がある
- イライラすると止まらない
- 不安が強い
- 痛みに敏感
こんな症状をお持ちの方には、とても効果があります。
この記事では、抑肝散の効果と、適応する具体的な症状、飲み方と、飲むタイミングについて、お伝えしたいと思います。
抑肝散は興奮を抑える特効薬
抑肝散はこんな症状に効果があります。
- イライラしてすぐに怒りのスイッチが入ってしまう
- 感情が爆発する
- 思考が巡ってなかなか寝付けない
- 夜中に目が覚める
- 不安感が強い
- 緊張する
- 動悸がする
- 冷や汗が出る
- 便秘がある
これらは全て、自律神経の乱れによるもの。
身体が交感神経優位になり、過緊張になることによって起こる『症状』です。
抑肝散は、この交感神経の高ぶりを抑え、緊張を和らげ、リラックスさせる効果があります。
なぜ、自律神経は乱れてしまうの?
日々のハードワーク、不安定な家庭環境、人間関係の悩み、寒すぎる・暑すぎる刺激、炎症など、日常のストレスや身体へのストレスが積み重なると、人の身体はなかなか緊張が取れなくなります。
これは、ストレスに抵抗するコルチゾールの働きによるものです。
コルチゾールとは、副腎から分泌されるホルモンの一種で、分泌されると交感神経が優位になります。
コルチゾールが分泌されることで、仕事や人間関係にトラブルがあっても乗り越えられますし、身体に炎症が起きても、免疫を抑制して炎症を抑えてくれるのです。
また、ご飯を食べなくてもエネルギーを生み出せるのは、コルチゾールが糖新生を促し、筋肉からエネルギーを生み出してくれる(血糖値を上げる)からです。
しかし、慢性的なストレスや炎症が続くと、常にコルチゾールが分泌され続けてしまうため、身体は交感神経優位・緊張状態が続きます。
これは、常にストレス・炎症に“戦うモード”で生きているということ。
そのような状態では、身体はなかなか休まりません。胃腸の働きも抑制され便秘にもなります。
少しの刺激で緊張してしまう、眠りが浅い、不安になる、イライラするというのは『身体の状態』であり、精神論だけでは解決にくいのです。
抑肝散に含まれる生薬の働き
抑肝散には6つの生薬が含まれます。
- 当帰(トウキ)…健胃、整腸、利尿作用。浮腫みなど水分調整に効果あり
- 川芎(センキュウ)…赤血球を増やす
- 白朮(ビャクジュツ)…赤血球を増やす
- 柴胡(サイコ)…免疫調整作用、ステロイド様作用、抗ストレス作用。慢性炎症に効果あり
- 甘草(カンゾウ)…副腎皮質ホルモン様作用。抗炎症、抗アレルギー作用
- 釣藤鈎(チョウトウコウ)…降圧、鎮静、血管拡張
不眠・ストレス・緊張 なんとかしたい!疲れを癒すリアル漢方・生薬の会 講座内容より一部引用
イライラした時、興奮して寝られない時、過緊張や不安感が強い時。
こういった時に抑肝散を飲むと、交感神経への刺激を抑制し高ぶった感情を鎮め、結果的に自律神経を整えることに繋がります。
抑肝散が副腎疲労を回復させる
先に説明したコルチゾールは、副腎という臓器から分泌されます。
慢性的にストレス、炎症がある場合、副腎から常にコルチゾールが分泌され続けてしまうため、副腎という臓器自体が疲弊してしまい、ホルモンを分泌できなくなってしまいます。
これを、副腎疲労といいます。
副腎疲労があると、コルチゾール以外にも様々なホルモンの分泌が低下してしまうため、
- 倦怠感
- 朝が起きられない
- 不眠
- 不安・イライラ
- うつ症状
- 生理痛やPMSの悪化
- 性欲の低下
- 低血糖
- 記憶力の低下
などの症状が起こってきます。
これらの副腎機能低下からくる症状は副腎疲労症候群と呼ばれ、この症状で苦しんでいる人は多いと感じます。
副腎疲労についてはこちら
抑肝散に含まれる生薬は、その副腎を癒す効果が高い成分が含まれています。
柴胡(サイコ)は炎症抑制効果(ステロイド様作用)により、副腎の負担を軽減します。
甘草(カンゾウ)は、コルチゾールの不活性化を阻害し、身体の中のコルチゾールを増やす作用があります。これは、ステロイドを投与した時と同じ効果があり、コルチゾールをたくさん分泌しなくても、血糖値を保てたり、炎症を抑えてくれるのです。
釣藤鈎(チョウトウコウ)は、身体を緊張状態から解放し、ストレスを感じにくくさせてくれます。ストレスを感じなければ、副腎はコルチゾールを出す必要がなくなります。
このように抑肝散には、副腎が頑張らなくとも、代わりに働いてくれる成分が多いのです。
飲み方と、飲むタイミング
漢方は飲むタイミングが難しいと思っている人も多いようですが、抑肝散はシンプルです。
症状がある時に飲みましょう。
- イライラが止まらないとき
- 不安や動悸で苦しいとき
- 興奮して寝られないとき
- 寒さで緊張してしまったとき
お湯に溶かして、さっと飲んでください。
空腹時が良いのでは?など、気にしなくて大丈夫です。
私には抑肝散は即効性がありました。だいたい20分くらいで、心身ともになんだか落ち着いてきます。
緊張が強すぎる人は、急にリラックスするので、眠くなってしまうほど。
服用は、漢方のエキス剤で、一日3包まで。過緊張のある人はお昼に飲むと眠くなってしまうかもしれませんので仕事の時は注意。
疲れてきてイライラしやすい夕方や、就寝前に飲むと癒されますよ。
副腎疲労がある人は、朝昼晩と飲み続けられると1〜2ヶ月で体調が上がってくる人が多いそうです。
副腎疲労の私の体験談を載せていますので、ご参考までに。
https://ameblo.jp/ak-punipuni/entry-12426690579.html
おわりに
抑肝散は子育て中のイライラママや、子供の夜泣きや疳の虫にも効果があるそうです。
母子同服すると、育児のストレスが軽減するかもしれません。
小池雅美先生の漢方セミナーでは、抑肝散をはじめそのほかの漢方についても、より具体的な症例や、科学的な根拠に基づいて『なぜ効くのか』という解説が楽しめます。
身体の不調の原因が知りたい、身体を整えたい、家族の健康に役立つ知識が欲しいという方には、ぜひ、おすすめしたい講座です。
